8-1名門コーネルの景観

 昨年初夏、或るご縁で台湾の台北市内ホテルで馬英九台湾総統とお会いした。周知の通り就任式における対中国政策として、任期内の「不統、不独、不武」(統一せず、独立せず、武力行使せず)の三不宣言をした御仁である。名門ハーバードの法学博士号を持ち聡明感の漂うスマートなイメージ。円形テーブルの筆者の左隣には総統の政策担当の主席秘書官。彼も米国バージニア大学留学組だそうで、主題後の雑談で米国の大学キャンパスの美しさについて話題がでた。  彼によれば「コーネル、プリンストン、バージニア大学の順」といったものである。バージニアは州立なので、言葉通りであれば全米州立大学中ナンバー1の美しさなのであろう。また西海岸の名門スタンフォードでMBAを取得した古い友人によれば、景観ランク「第一位コーネル、第二位プリンストン、第三と第四位は知らないが第五位スタンフォード」と口癖のように言っていた。キャンパスの美観にランキングをつけるといった趣味にはついていけないが、米国はこうした統計が好きである。コーネルもプリンストンも全米というより世界屈指の名門大学。美観のほか当然ながら学問的な名声、科学的、技術的な出力、国威高揚への貢献度等も勘案されてのことなのだろう。  医学部はNYのマンハッタンにあるが、コーネル大学のメイン・キャンパスはニューヨーク州の片田舎イサカ。ここはフィンガー・レイクス地方と呼ばれ、もともと自然が極めて美しい地形的景観を有するエリアである。何処までがキャンパスか分らないほど広大な敷地。MAPによれば五百万坪以上あるのだろうか。中央付近のビーブ湖(Beebe Lake)。ここから下流側へ向かいトリップハンマー(Triphammer Fall)という名の滝、更に両側絶壁の渓谷を出、幅広となったイサカ滝(Ithaca Fall)。その後全長約四㎞を経てカユーガ湖(Cayuga Lake)に流れ込む。水系と渓谷を抱き込んだ丘陵状のキャンパスは壮観である。  そこに突き出る煉瓦造りの時計台(McGraw Tower)、芝生に点在するジョンソン絵画館、ホワイトホール、輪郭がフランスのシャンボール城を想わせる建築学館のシブレー・ホール等々。キャンパス東西方向には約百万坪の、別世界を想わす美しい植林庭園(plantations)があり、入江や小川沿いに各種の樹林や鳥類や小動物が自然に溶け込んで生きていた。

 

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